「再戦は頭を使ったほうが勝つ」→陣営全員,バカの証明?

オリンピック,終わりましたね。めでたし,めでたし,です。夏のも興味ないのに,冬は,もっと関心なし。ニュースで十分です。っていいながら,「そだね~」っていいつつありますけど(ウソ)

女子フィギュアで「OAR」っていうのが上位を独占しましたけど,「OAR」って,何の略なんでしょうか? もちろん,ロシアは個人資格で出場してるのはわかってるつもりですけど,「OAR」って何? ということで調べました。

どうやら,「Olympic Athlete fron Russia」の略なんだそうです。わかっちゃうと「大したことねぇなぁ」感でいっぱい。英語資料なら国名とかをアルファベット3文字に統一することはわかりますけど,その義務のない日本ソースだったら,そういえよ,って感じ。わりと簡単に調べがついたからいいものの…。

สามารถ พยัคฆ์อรุณ(Samart Payakaroon)についての御質問をいただいたんですけど,今回は何といっても,WBC118戦でしょう。これ,筆者は「日本ボクシングの敗北」と見ました。技術的にも,ビジネス的にも,ね。あまりにも「素人集団」なんじゃないかと。以下,ぐだぐだと…。

相手のLuis Neryの体重超過が叩かれてますが,あれはラッキーな事態だったように思います。「負けた言い訳」になりますもんね。もしあれで,Neryが計量を無事にパスしちゃってたら,あの惨敗の言い訳ができなくなっちゃうわけですよ。まぁ,技術的にも完敗だったんですけど,体重超過があった「お蔭」で,そこに触れないことが可能になっちゃったわけです。ただ,そのせいで,明らかすぎる敗因に気づかないままなんでしょうけどね。「体重のせい」ってことに,できちゃうわけですから。そういう意味では,ラッキーだったと思います。

武井壮さんがNeryを批判したり山中慎介選手を労ったりしてますが,あの人,左利きなのに腹打ちを「わざわざ」右でする人物ですからねぇ…。残念過ぎるでしょうに。だって,異常に足の速い野球選手が,盗塁もリードもしないみたいなもんですよ。「お前,俊足だろうよ」ってのに,ベースちゃんと,ずーっと踏んでる感じ。あり得ないでしょ。武井さんは,そんな感じです。左で腹打ちしろよ。肝臓しか効かないことを知らない人間に…,あ,「百獣の王」って,動物扱いでいいんですかね。

まずは,ビジネス面から叩きましょうか。あ,「叩く」っていう意図があるわけでもないんですけど,結果として,あそこまで甘すぎると,叩くべきかと思われます。

体重について,です。

例えば,2017年12月9日に行われたVasyl Lomachenko(Василь Ломаченко)Guillermo RigondeauxWBO130戦を思い出してください。

122王者のRigondeauxが小さすぎることを危惧して,試合当日にも計量を義務づけましたね。ここで「138(62.56kg)」っていう制限を設けました。

また,2017年7月29日のMikey GarcíaAdrien Broner戦も,体重超過の常習犯であるBronerの超過を危惧して,試合リミットの140(63.50kg)を1lbs(453.6g)超過するごとに50万ドル(1ドル107円として5350万円)の罰金を課すことが決まってました。

いずれも,契約に明記されてたんですね。

しばしば「アメリカは契約社会だから…」ってことが批判的にいわれますけど,こうした,いろんなことを想定しておくことが,ビジネスには必須でしょうよ。先のJuan Hernández Navarreteも体重超過してました。その試合では比嘉大吾選手が豪快に倒して勝って新王者となったんで,結果的には「めでたし,めでたし」になったものの,体重超過ってのが,あり得ない事態ではない,ってことが,わかったでしょうに…。学習能力,ないの?

にも関わらず,契約にそれを盛り込んでないのは,ちょっと悪い表現をすると「手抜き」でしょ? 契約が雑すぎます。楽観的すぎます。人間を信じすぎます。性善説すぎます。期待しすぎです。

そうでなくとも,どれだけ体重超過が起きてることか…。コアなファンは知ってるかもしれませんが,日本ではあんまり起こんないんで,コアなファン以外には非常に珍しい事態に映ったはず。でも,説明はなし。レアなケースとしてしか,認識されません。Neryの悪人度は,向上するばかり

ほら,帝拳の本田明彦会長なんて,一応は世界的なビジネスマンなわけでしょ。だったら,契約にいろいろ盛り込むのは当然でしょうよ。子どもの口約束レベルで,ビジネスですよ。

あ,参考までにNeryの体重ですが,試合前日の計量では121(54.88kg),義務づけられた試合当日午前中には127(57.61kg),そして,試合直前には132.4(60.06kg)だったそうです。

いろんな選手,関係者が,「罰則を設けるべき」とか,いろいろとNeryを叩いてます。いや,もちろん超過したNeryが叩かれんのは仕方ないんでしょうけど,同時に,甘すぎる契約も叩かれるべきです。契約でしっかりと,「やらかしたら,ギャラ払わないよ」みたいなことを明記しとくべきでした。その「やらかしたら」に体重超過も書いとくべきだったのは,当然です。考えてなかったとしたら,甘すぎ

あるいは,「わずかにでも超過したら試合しない」みたいなことを決めとくべきでしょ。あ,王座はそれだと得られませんけどね。興行も成立しないでしょうし。だから,ビジネス(金儲け)としては却下でしょうけど,微塵でも「選手を守る」意識があったら,そう強行しても,よくありませんかねぇ…?

勝ったNeryは「また日本に来たい」みたいなことを語ってましたけど,こんな甘い契約で大金を得られるんだったら,そりゃ,来たがります,って。アメリカでやるよりも,(リスクは低くて)カネは高いわけですからね。118なんて,アメリカでやったら「端た金」レベルですが,日本でやると何千万円かをガッポリですから。

続いて,技術面。

初回にジャブで効かされちゃったんで,どうにもならなかった感はありますが,惨敗の山中選手,1発でいいからショート打ってましたか? たぶん,ショートを知らないんですよね。以前から筆者はいってますけど,かけ算九九の「6の段」の存在自体を知らないんですね。力技で足し算するか,「2の段」と「3の段」でカバーするか,ってことで,「結果的に」クリアしてきてる,ってことですよ。小2でかけ算九九を憶えるんですから,「『6の段』憶えろよ」で解決するのに,やってないんですね。

あ,もちろん,ショートができてりゃ勝てた,とは,いいません。でも,小柄な選手とやるのに,あそこまでショートできない,ってのは,考えられないでしょうよ。以前にも書いたように,大事な試験の前日に,「アレは絶対に出ない」って,ヤマ張っちゃうようなもんです。で,ヤマが外れて,「気の毒」って思いますかねぇ…? 「出ないはず」ってヤマ張ったのが悪いんでしょ。一世一代の大舞台で,そんなザマです。同情の余地はゼロですよ。

山中選手は,確かに,いい左クロスを打ちます。でも,それは,腕の力を込めやすい「腕が伸びる直前」のヒットに限られます。左フックも左アッパーも,短くねじり込む左クロスも,ないんですね。近づかれたら,何をするつもりだったんでしょうか? 飛び込んでジャブ食って効かせられちゃったくらいですから,自分から飛び込むことも考えてたと想像できますけど,入ったとして,何かできたんでしょうか?

近間になって右肩をぶつけるわけでもなし,ショートで迎撃できるわけでもなし…。ヒジが伸びる直前の長さの左クロスしか打てないんで,相手が接近してくると,下がったり後傾したりする「しか」ありません。そして,後ろにダウンするんですね。そりゃそうです,後ろに体重が寄っていくんですもん。

あまりにもショートができなさすぎ…。いや,繰り返しになりますけど,「ショート」っていうものの存在を知らなさすぎ。

山中選手,弱いとは思いませんよ。あ,ベクトルに喩えましょうか。

「ベクトル」ってのは,方向と大きさをもってますね。山中選手も「大きさ」はあるんです。もしかしたらNeryよりも「大きさ」は上かもしれません。でも「方向」が違うんですね。あまりにも独り善がりな,換言すると「和式」な,「ショートは存在しない」方向なんですね。で,今回は,「ショートのある方向」だったんです。これまで好運にも,ショートが得意ではない相手「としか」やって来なかったんで,大きすぎる欠陥がバレなかった「だけ」。

山中選手がショートを知らないことに責任があるかどうか…。一応は世界チャンピオンだった選手ですから,「知らない」ってのは,恥ずかしすぎる気がします。とり巻きが知らないのは,まぁ,当然としても…。いや,とり巻きも「知ってろよ」ですけどね。

あれだけ強い「神の左」ともいわれる左をもってるのに,それは,ヒジが伸びる直前に「限られる」んですもん。山中選手が腕力自慢だとは思い難いんですけど,腕力が活きる長さで「のみ」強い左が打てる,ってのは,果たして「打てる」うちに入るんだか…。ほら,バッグ打ち,って,誰にも指摘されないと,自分の好きな長さで好きなコンボを好きなタイミングで打つだけになりがち。それって,「対人競技」で,あってますかねぇ…?

例えば,ゴルフの「打ちっ放し」で「のみ」,好打を繰り返してる人間がいたとして,でも,コースに出たらダメ,っていう人間を,ゴルファーとして高く評価するんでしょうか?

でも,そんなことはNeryの体重超過で「チャラ」。なかったことに,なります。つまり,大きすぎる欠陥があるのに,気づかないまま進みます。治りません。反省ゼロ。明らかな欠陥があるのに,「体重超過したNeryが悪い」で,「すべて」決着。

責任転嫁が過ぎるでしょ。

山中選手が所属する帝拳の浜田剛史代表が,再戦のたびにいいますね。「再戦は,頭を使ったほうが勝つ」って。だとしたら,今回,山中陣営は,誰1人として「頭を使わなかった」,いや「使えなかった」,「そもそも使う頭がなかった」ってことに解釈できませんかねぇ…?

いや,きっと浜田氏は黙殺の常習犯ですから,いわないでしょうけどね。ただただ今回は,「Neryが体重超過した」こと「だけ」が悪い,ってことになってますから。

あ,あと,何かの報道でNeryの体重超過を「確信犯」って書いてました。署名記事でしたけど,「確信犯」が,俗な意味の「誤り」でしたよ。まぁ,それだけ「俗な意味」が広く知れ渡ってるんでしょうけど,ジャーナリストにあるまじき行為でしょ。署名記事ですから,恥さらしです。自分が出てる指名手配のポスターを自分で貼ってるようなもんです。恥を知れ,恥を。

この調子だと,帝拳の選手は,ショートができないことで負け続けるんでしょうねぇ…。帝拳の選手に限らず,これは日本ボクシング界の方向性の誤りだと思ってください。日本の「和式」の長身選手は,小柄な外国人選手にショートを挑まれて,仰向けに倒され続けることでしょう。

これは,日本ボクシングの敗北です。日本ボクシング界の惨敗です。知らないことが多すぎ。頭ぁ悪すぎ。選手も関係者も解説者も…。

そう認識すべきですよ。もちろんNeryが悪いとしても,ね。

考えを改める機会になるかも…,と,淡い期待を抱いてたものの,「すべてはNeryの体重超過のせい」で,反省なし。そして,進歩なし。だって,「悪いのはNeryだけ」ですから。体重超過っていう悪があって,よかったねぇ…。

もし業者で,体重のことしかいわないようなのがいたら,技術的な大欠陥に「少しも」気づいてないと思っちゃってください。態度がどうこう…,って,専門家のいうことなんでしょうか? 実際に試合は実施されて,惨敗ですよ。原因は体重だけ?