「偶然のバッティング」

WBA130戦は頭突きで切れて,採点で決着がとられましたが,あれ,なんで「偶然のバッティング」って訳すんですかね? というのも,経験者だったら確実にわかるはずですけど,頭なんて,かなり頻繁にぶつかるもんですから,それを「偶然」って一言で済ませられるのか疑問なんです。

想像するに,「Accidental Headbutt」を「偶然のバッティング」って訳した人物は,未経験者なんでしょうね。あ,経験者のほとんどは英語力ゼロですから,仕方がないのかもしれませんけど…(あ,ボクシング担当のアナウンサーや解説者,国際マッチ・メイカーもゼロ)

「Accidental Headbutt」の対になる言葉は「Intentional Headbutt」なんですね。この「Intentional」っていうのは,「故意の」っていう意味です。誰だか忘れましたけど「Bad Intention」っていうアダ名の選手がいましたね。あれは,完全なる「悪意」っていう意味です。

「Intentional」,「故意の」の反対ですから,「偶然の」って訳すよりも「故意でない」って訳すべきだと思うんですね。それを「偶然の」ですもん。「偶然の」だったら,異常なくらい頻繁に当たってます,って。「故意か否か」を問題にすべきなように思います。言語としては「偶然の」でもいいんでしょうけど,事象としては「故意ではない」が適切なように思います。

「偶然の」っていってしまってるせいで,頭突きはわりと起こらないものと勘違いされてる気がするんですね。それは間違いです。実際には,哀しいくらいに頻繁に頭はぶつかります。ですから,「ヘッドギア」っていう防具があるんです。あれはダメージの緩和には「少しも」役に立ちません。飽くまで「頭突きによる傷の発生の防止」が主目的なはずです。

次。

同じ興行のメインで行われたWBC130戦ですけど,あれに同情の余地,って,ありますかね? 「よくやった」って,いえますかね?

ヤマ張って,それが外れた,って,だけな気がしませんか? そこに同情の余地は,たぶん「まったく」ないでしょ。

戦前から,欠陥はミエミエだったはず。だとしたら,そこを埋める対策を練るのが「当然」でしょ? それを怠って,「予想通り」だったわけです。明らかに不足でしょうに。「予想通りの展開での敗戦」でしょ

判定の結果にも諸説あって,放送とか,報道のほとんどにも「120-109」っていうスコアが書かれてましたが,これ「120-107」説もあります。三浦選手はダウン食ってますから,これだとフル・マークってヤツになります。

でも「120-109」だとすると,マイナス分は11ですから,2つのラウンドは「10-10(イーブン)」だったことになります。いや,どっちが正しいか,っていうこととは別に,「イーブン」はあり,ですからね。

あの試合の解説者2人もゲストもバカすぎて,「う~ん,迷いますが,三浦選手でしょうか」みたいなことをいってましたけど,「迷ったら『10-10』つけろや」,って感じじゃありませんか? 解説するんだったら,堂々と「10-10はあり」ってことを主張すべきなんじゃないでしょうか。まぁ,バカすぎて,「10-10はなし」って思い込んでるようですけどね。

しばしば,サッカーの松木安太郎さんの解説で「今のは,キーパーいなかったら,入ってましたよ」って嘲笑するコメントがあったようにいわれますけどずんのやすさんのモノマネで見たことがあるだけです),「10-10はなし」っていうのは,それくらいにバカ解説じゃありませんかね? 勘違いも甚だしすぎます。松木安太郎さん以下,いや,松木さん「未満」でしょう。解説者や実況担当は,ルールくらい把握しておくべきなんじゃないでしょうか。あまりにバカが過ぎます。

話を三浦選手に戻すと,あれを「惜しかった」って,いいますかねぇ? いや,見てても「あとちょっと叩ければ…」っていう期待は確かにありましたけど,終わってみれば「順当」じゃありませんか? 十分に予想できた結果でしょ。

たぶん帝拳(あ,名前出しちゃった)の悪しき慣例ですけど,あのジムの選手って,ことごとく「ショートができない」選手ばっかりでしょ。「苦手」っていうレベルではなく「ゼロ」です。10段階評価の2か3あるんじゃなくて「0」。皆無です。

「ショート」っていうのは,距離こそ「ショート」ではありますけど,パンチ自体は十分に振れるものです。そのために,前に位置する肩とか腕を使うんですね。

例えばFloyd Mayweather, Jr.。日本では鬼塚勝也選手。彼らは,異常なくらいに左肩と左の前腕を駆使してました。

帝拳のあの人物,「アニキ」って呼ばれる人物は,「ガードを下げると打ちやすいんですが…」みたいなことをいいますけど,これが間違い。左手を下げるのは,左パンチを出しやすくするためではなく,左肩や左前腕を駆使するためなんです。その証拠に,Ricardo Lópezは両ガードをしっかりと上げてたのに,手数,少なくなかったでしょ。ここでも「アニキ」,バカが過ぎます。「あんなの」が指導者でいいんでしょうか?

ショートが「ゼロ」なんで,帝拳の選手は,腕をスイングするスペースができてるとき「のみ」,腕力で強く打てます。自分で空間をつくる,とか,小さい空間で強く腕を振るう,なんてことは「まったく」できません。「やれよ,オイ」って感じ。見てて「今だ!」って思ったとしても,打てない,そもそも,きっと習ったことがないんですから,期待もできません。

三浦選手がFrancisco VargasにTKOされた試合を思い起こしてください。ダウンを奪ったものの,ショートになると「何もできず」に打たれまくってのTKO負けだったでしょ。「やらない」とか「苦手」とかじゃなくて,「まったくできない」んです。きっと,教育も「ゼロ」なんでしょうね。トップが「あれ」ですから,仕方ない感じですけど。

同じように,Jorge Linaresもショート「ゼロ」です。距離があるときには,わりといい左アッパーが打てるものの,距離が詰まると「ゼロ」。左肩で空間をつくって左アッパーを打つことなんて,まるでできません。

来日しちゃったのが悪かったんでしょうかねぇ…。いや,日本の経済力があってこその成功でしょうから,経済面ではよかったんでしょう。技術的にはマイナスでしかなかったはずですけどね。技術的には最悪の国ですから。

で,三浦選手ですが,そんな「腕を強振するスペースがないとダメ」って思われてて,そのまま,だったでしょ。策ゼロですよ。ヤマ張りすぎ。そんなに甘い期待のみを抱いてたんでしょうか? 自分が望む展開に「必ず」なると信じてたんでしょうか?

年に何回もある定期テストでヤマ張って外れて「あぁ…」は,あるかもしれません。でも,受験とか資格試験とかでヤマ張って外れて,どこかわずかにでも同情の余地って,ありますか? 外したヤツが悪いんでしょ。ヤマ張って外れたことを,苦手分野をカバーする努力を怠ったことを叩かれるべきでしょうに。「何かして臨めよ」って感じ。何が来ても対応できるようにしとくべきでしょうに…。しかも,一応はプロなんですから。一応は元王者なんですから。多分にカネの力でしょうけどね。

今後も帝拳からは,カネの力で世界王者が誕生していくことでしょう。でも,あれだけ「腕力依存」を続けるんだったら,空間をうまく詰めちゃって連打の効く選手とやったら,わりと容易に潰されるんでしょうね。

確かに,カネの力は甚大ですけどね。腕力がある限り,期待は抱けるかもしれませんけどね。

でも,ヤマ張りすぎですよ。たぶん「アニキ」のせいもあると思います。レベル低すぎ。同情の余地,ゼロです。

そんなことを解説でいえない,っていうのは,利害関係を考えてのことでしょうか? それとも,「ショート」を解説者も「まったく」知らない,ってことでしょうか? 今後も,「ショート」を距離ではなくパンチ自体のことといっちゃってたら,「バカ扱い」しちゃっていいと思われます。

そういえば,アニキの無知エピソード,もう一つありました。

回り込みのスピードの件です。

回り込みが起こると,アニキ,確実に,「そうとうのスピード差がないと,これはできないんですよぉ」みたいなことをいいますけど,これは完全な誤り

ボクサーってのは,いってみれば「モード切替」みたいなのをしてます。「よし,打ったるで」モードのときもあれば,「動け,動け」モードのときもあります。この2つが起こったときに,回り込みが発生するんですね。

一方が,腰を据えて打とうとしてんのに,他方は素早く動こうとすると,結果として回り込んじゃうことがあります。スピードの差ではありません。「モードの違い」です。

という具合に,ショートも知らない,回り込みの原理も知らない,ガードの高さとパンチの打ちやすさは無関係だってことも知らない,と,そんなアニキが何を指導してんのか,謎です。あ,「根性論」でしょうか?

といっても,カネがあるから,いいのかなぁ…。何だかんだいっても,世の中,カネですもんねぇ…。カネこそ,すべてでしょ。

ルールを知らなくても,技術に無知でも,カネがあればいいんです。カネですよ,カネ。この世はカネです。

どうやら,野球のサインは,いろいろやって,計算式を提示してるそうですね(伝聞情報)。で,選手はその計算式を解いて,指示内容を理解するそうですね。

ところが,「あのジム」,あ,「日本」っていっちゃってもいいかもしれませんけど,そのサイン自体も怪しい上に,それを受けとった選手の側も,タイムかけて座って地面に数字を書いて「あ,そういうことか」って,やっとわかってるようなレベル。みやぞんさんみたいに,驚異的な運動能力があれば別かもしれませんけど,みやぞんさんって,サインを把握できなかったそうですね。あ,ジミー大西さんもそうだったんだとか…。

何の話だったか忘れちゃいましたが,あの試合を「惜しかった」っていう必要性はゼロだったと思います。むしろ,「バレバレの欠陥,ちょっとは埋めて臨めよ」っていうべきだったと思われます。「ちょっと」も埋めなかったんですから,叩かれるべきでしょ。