亀田興毅選手,あ,もう選手じゃなくて「元選手」ですけど,キックの選手とやるんじゃないか説がありますね。現役の選手はダメらしくて,もしかしたら却下になるのかもしれませんが,どうなることやら。さほど興味もないんですけどね。
亀田選手も,対戦の噂のある那須川選手も,ともに左利きのサウスポー。野球のイチロー選手や松井秀喜選手が右利きでありながら左バッター・ボックスに入る「左打ち」であるように,ボクシングも,利き腕と構えが必ずしも一致するわけではありません。右利きのサウスポーもいれば,左利きなのに右構えをとる選手もいます。
わりと有名なところでは,ODLH(あ,Óscar De La Hoyaね)が,左利きの右構えですね。
こうして筆者は「ODLH」って表記してますが,この選手,日本では「オスカー・デ・ラ・ホーヤ」って表記されますよね。これが微妙で,あのMichael Buffer氏でさえスペイン語読みしてるんですね。ですから,この選手のことはスペイン語読みして「オスカル・デ・ラ・オヤ」って読むべきなんじゃないかと思ってます。
ずいぶん前ですけど,Buffer氏とライバル視されることの多いJimmy Lennon, Jr.氏が,『WOWOWエキサイトマッチ』のインタビューで「自分は試合前に控室に選手を訪ねて,読みを確認する」みたいなことをいってましたね。これがたぶんBuffer氏への痛烈な皮肉で,Lennon氏はスペイン語も喋れるようですけど,ほぼ確実に選手を英語読みしちゃう傾向のあるBuffer氏を「アイツぁ確認しないんだよ」っていっちゃってたものと思われます。
Buffer氏がどれほど酷いか,ってぇと,メキシコの英雄・Julio César Chávezを「チャベーズ」っていっちゃったり,これまたメキシコの人気選手だったHumberto Gonnzálezを「ゴンザレーズ」っていっちゃったりしてました。そりゃ,ブーイング浴びますよねぇ。アクセント記号を無視して,英語読みしちゃってましたから。
最近は正しくなってるようですが,Buffer氏はWBCの会長のことも「Suliaman」って発音してました。カナにすると「スーリャマン」でしょうか。正しくは「Sulaimán」ですから,カナだと「スライマーン」ですかね。それなりのギャラをとってるクセに,こんな間違いを繰り返すのは酷すぎます。
「デ・ラ・ホーヤ」っていうのもそんな感じでしょうか。でも,そんなBuffer氏でさえ「デ・ラ・オヤ」って読んでました。
そういえば,Buffer氏,Nonito Donaireを「ドナイレ」っていってましたねぇ。この選手,カナでは「ドネア」って表記されることがほとんどですけど,「ついに」Buffer氏さえもが「ドナイレ」っていったところを見ると,やっぱり「ドナイレ」って呼ぶべきなんでしょう。
もちろん,英語的に「ドネア」っていっても,本人は認識するでしょう。例えば,横澤夏子さんがホントは「よこさわ」って濁らないのが正しいのに,「よこざわ」って呼ばれても本人が認識するようなものかもしれません。茨城県も「いばらき」って濁らないのが正しいようですが,「いばらぎ」って濁っても正す人が少ないように,「ドネア」でも,イチイチ本人は正さないんでしょう。たぶん間違ってるんですけどね。
「日本」を「にほん」って読もうと「にっぽん」って読もうと,同じように認識するのと同様かもしれません。
そういえば,そのBuffer氏が日本で葛西裕一選手のコールをした際に,筆者は異常なくらいにドキドキしました。「ユーイチ・クサーイ」っていっちゃうんじゃないか,ってね。シャレになんないでしょ,「クサイ」は。「ドネア」は,そんな扱いです。
で,話を亀田選手に戻すと,どうなんでしょうかねぇ…。
もう20年以上も前の話になっちゃうんですけど,足ありの競技の元プロ選手が,引退してから大学に入って,「シャレでボクシング部にでも入ろうか」って考えたことがありました。あ,「シャレで…」っていうのは不謹慎ですね。
でも,アマチュア・ボクシングの団体に問い合わせたところ,「ボクシングに酷似した競技でプロだった選手が試合に出場することは認められない」っていわれたんだそうです。「『酷似した』って何だよ」って思ったそうですけどね。
そんなこともあって,断念したんだそうです。亀田選手も,どうするんでしょうか。
そういえば,147のボクシングの日本王者だった吉野弘幸選手が足ありの競技に出るときにも,多少のモメごとがあった記憶があります。
野球でも,元プロがアマチュアの指導をするのにはいろいろあったりとか,今現在はどうなってるのか知りませんけど,面倒臭そうです。
と,ダラダラと雑談を書いた後に本題。
ヘッドギアって,そもそも安全なのか? ってことです。
アマチュアでもオリンピックとかのデカめの国際大会では,ヘッドギア着用の義務がなくなったりもしれますね。あと,最近,女性のボクシングも1ラウンドを「2分から3分にしよう」っていう流れが出てきてます。
以前にも書いたように,ラウンドの長さって,短くはありません。3分間なり2分間なり,相手はいつ打ってくるのかわかりませんから,深めの呼吸をするタイミングが皆無ですんでね。
浜田剛史氏が解説で「1ラウンド目は,倍,疲れるんですねぇ」っていいますが,初回っていうのは,相手の出方や仕掛けのタイミングが把握できてないせいもあって,息を吐いたり止めたりする瞬間が多くなります。で,疲れるんです。
例えば,息継ぎなしで50m泳げるか,って感じでしょうかね。速い人なら25mは泳げちゃうかもしれませんけど,ターンして50mを息継ぎなしで泳ぎきるのは困難でしょう。それは単純に,水ん中では呼吸ができないからです。
浜田氏もジョー小泉氏も「自分のペースなら疲れない」旨のことをいいますけど,自分のペースで闘ってると,深めの呼吸をするタイミングを自分で把握できちゃうんですね。ですから,疲れ難くなります。って,くらいのことを解説で喋れよ,って感じですが。
運動の強度としては,バッグ打ち(サンド・バッグって名前ですけど,砂は入ってませんからね)のほうが上でしょうけど,バッグ打ちは主体的な運動なんで,呼吸の自由度は実戦より上。ですから,わりと楽だったりします。
そんなわけでラウンドが2分だろうが3分だろうが疲れることには変わりないんですけど,ヘッドギアの話でしたね。
そもそも安全なんでしょうか?
こんな話があります。
ヘッドギアを着用すると,それだけで,若干ではありますが,頭部の重心が上がるんですね。すると,頭の振れが大きくなるようです。ゆえに,「ヘッドギアをしてたほうが危なくないか?」っていうこともいわれてます。
それから,多分に感覚的な話になっちゃって恐縮なんですが,ある程度のクッションがあるほうが,頭への振動が大きいんですね。
こんな実験をしてみてください。
アゴを,自分の拳で「コツン」としてみてください。その後,同等の力で,アゴの横に辞典か厚めの電話帳(あ,今,ないか…)をくっつけて,「コツン」してみてください。
すると,後者のほうが「ゴワーン」感が高くありませんか?
感覚的には,これ,8oz程度のグローブを着用したときに,強く感じます。
1990年台に115以下でも「6ozグローブ」ってのが廃止されて最低でも8ozになりましたね。これはきっと「厚いほうが安全」とか,「重いほうが初速が落ちる」とかいう理由だと想像されますけど,6ozのほうが「ゴワーン」感は小さい気がするんですね。繰り返しますけど,「感覚的には」ですよ。
そう考えると,ヘッドギアっていうのは,それほど安全じゃないんじゃないか,って想像するんですね。先日もどっかの国で17歳だったかのアマチュア選手が亡くなりましたけど,ヘッドギアって,そもそも安全なのか,疑問に思うわけです。
あ,「ゴワーン」実験,間違っても,他人を相手にやらないようにしてくださいね。
で,じゃぁ,ヘッドギアは何のために有効か,っていうと,それはバッティング防止のためです。
頭の激突は,故意か否かに関わらず,確実に起こります。そのとき,ヘッドギアをしてないと,傷ができがち,なんですね。
ずいぶん前に,鬼塚勝也選手が世界王者だった頃に解説の具志堅さんが鬼塚選手のスパーのシーンを見て「ヘッドギア,したほうがいいなぁ…」っていってました。でも,その理由をいわなかったんですね。わかってたのかどうかも疑問ですし,単に慣習として「スパーのときはヘッドギア着用」ってことだけなのかもしれませんけど,スパーでも,頭で切れちゃうことが少なくないんです。
それが例えば,開始2秒くらいでも,ぶつかりゃ切れることがあります。
アマチュアならまだしも,プロがカネをとって見せる試合なのに,「2秒で切れちゃって引き分け」って,客としては納得行かなすぎでしょ?
でも,プロは,それが起こり得るんですね。ヘッドギアしてないから。でも,アマチュアではそれを防止すべく,ヘッドギア着用義務があったはずなんです。あれは決して,ダメージの緩和が目的ではありません。
もしヘッドギアってものを,ダメージの緩和のための道具だと思ってたら,それは,痛すぎる勘違いです。