以前,「Román González」を「ロマゴン」って略すはずがない,って書きました。では,どう略すか,ってぇと,欧米人は,わりと「イニシャル」を使用します。
例えば,日本では専ら「Baby Faced Assassin」っていわれるMarco Antonio Barreraは,しばしば「MAB」っていわれます。欧米の人には,こっちのほうが通りがいい感じです(個人の感想です)。
また,協栄ジムで「東京三太」って名前でも闘った元WBC135王者のMiguel Ángel Gonzálezは,ちょっとダジャレなんですけど,「MAGO」っていわれます。これはスペイン語で「魔術師」って意味ですね。「魔術師のように巧い」ってな意味もありました。
引退するらしいRoy Jones, Jr.も「RJ」って自称してますね。RJ,1969年生まれの「オッサン」なクセに,今も若者言葉を発します。「Yes」を「Yep」,「No」を「Nop」なんていうことが少なくありません。「オッサン」なんですけどね。「オッサン」なクセに若ぶってる言葉を遣う人を見るたびに,RJを思い出しちゃいます。
その法則性で行くと,「Román González」は「RG」って呼ばれてもいいのかもしれませんが,彼は「Chocolatito」を好むようです。自らの肌の色にプライドがあるんでしょうね,想像ですけど。ダウンタウンの浜田雅功さんにも,クレームつけないかもしれません。
こんなメールをいただきました。
「わりとマイナスなことばっかり書いてるけど,いいの?」みたいな内容でした。
どうなんですかねぇ…。多少は良心が痛む気がしてはいますけど,あんまり知られてないことでしょ? ボクシング解説者がインチキばっかりいってることとか。そのせいもあって,日本のボクシング関連WWWサイトのほとんどが,そんな誤情報に踊らされてるだけだったりすること,とか。
先日の『しくじり先生』で村主章枝選手がフィギュア・スケートの闇の部分を語ってましたけど,わりと人気の卓球なんかも,負の報道がなされてる気がしてます。あ,その極端な例が大相撲ですかね。マイナス多すぎますけど。
ボクシングとかキックとかに溢れてるインチキ情報は,ちょっとでいいから,正さなきゃいけない気がしてます。ホントは解説者の役割なんでしょうけど,ボクシング解説者は,ほぼ全員,頭ぁやられちゃってる発言しかしてませんからね。選手経験がないあの横分けオヤジもインチキばっかりですし…。どいつもこいつも,です。
だって,いわゆる「L字ガード」は,腕を下げることが主目的ではなく,肩と前腕を駆使しやすくする形ですからね。ほら,あの解説者たち,バカでしょ? 知らなすぎますよ。バカすぎますよ。拳を傷めたのは,豪打ゆえのことではなく,硬いところを叩いた悪い証拠ですもん。少しは謙遜しろよ。
野球に喩えるなら,バッターの「バントの構え」を見て焦るレベルです。「お! 振らないぞ!」みたいな。ピッチャーでいうと,変化球を知らない感じ。「おぉ! 曲がった!」ってレベル。そんなのを名解説者っていえますか? その辺の会社員未満でしょ。衝撃でしょ。放送に耐えないでしょ。
「L字ガード」を見て,「ガードを下げると,打ちやすいんですが…」みたいなことをいっちゃったら,「バカ確定」です。いうまでもなく,「アニキ」,バカです。
ですんで,真実を知っちゃっても支障がない人のみ,弊WWWサイトを御覧ください。
と,前置きした上で。
あー,どうなんでしょうか。これは筆者の誤解なんでしょうか?
Jorge Linaresとかが出た『WOWOWエキサイトマッチ』で,ジョー小泉氏が有効なパンチの3大条件として「有効度を推し量るのは,パワー,正確さ,数」っていってました。そこには「相手に与えたダメージ」って言葉はありませんでした。
でも,ちょいちょいこのオヤジは,「相手に与えたダメージで評価します」旨のことをいいますね。この「相手」とか「ダメージ」とかいう概念を入れちゃうと,誤解が生じ得るんですね。
パンチの評価は,ダメージを見てするものではありません。単純に,小泉氏の挙げた「3条件のみ」で評価します。なぜなら,気の毒なほどに打たれ脆い選手もいれば,異常なくらいに頑丈な選手もいるからです。なのに「ダメージ」で推し量ることは不可能なんですね。
あのオヤジ,指導者経験もあるクセに,頑丈さが人によって違うことを「少しも」認識してないんでしょうか? そりゃ,理想的には頑丈なことが望まれますけど,そうでない人も,少なからず,います。そういうの,「全無視」?
パンチの評価は,「食った側」を見て行うものではなく,「見た目」の「いいパンチだったか否か」によります。ですんで,筆者はさんざん「相手に与えたダメージ」っていう表現を否定してきたんですけど,もしかすると,小泉氏は(珍しく)正しい解釈ができてるのかもしれません。
とはいえ,「相手に与えたダメージ」って表現は,曖昧すぎます。
グラグラになっちゃえば別ですが,「あれ? 効いたかな?」くらいの軽いパンチが,気の毒なくらいに打たれ脆い選手に当たったとします。一方,音が聞こえるほどの強打が,頑丈で知られる選手に直撃したのに,ケロッとしてたとします。これを「相手に与えたダメージ」で評価しちゃうと,前者のほうが有効になりかねません。が,実際は,後者をより評価すべきなんですね。「効いたか否か」の「ハタから見た感じ」で評価するものではないんです。
ここに,こんな齟齬が出ます。「コイツぁ打たれ強いんだぜ」っていう勘違い。
「打たれ強い」って信じてると,「今のは効いてない」ってダチョウ倶楽部さんみたいな「思い込み」が可能です。ですんで,「ポイントはとられてない」っていう誤った確信をすることになりますね。でも実際には,「打たれ強さ」は「まったく」加味しませんから,ここに齟齬が生じるんですね。
というわけで,放送を見ながら,「どうなんだろ,わかってんのかなぁ?」って思ってました。わかってんだったら,曖昧な表現を避けるべきでしょ。たぶん,わかってないんですけどね。
そこそこ以上に影響力のある解説者が,こんな曖昧な表現,ありでしょうか? しっかりしろよ,っていう思いしかありません。「ダメージ」は,「まったく」考慮しないことを断言すべきです。てなわけですんで,「わかってないのかな?」って思っちゃうんですね。
もう1つ,非常に大切なことは,これまた以前にも書いたことですが,「パンチの有効度」の評価は,選手自身の感覚とは無関係に,ジャッジが「ハタから見た感じ」で評価されます。ってことは,異常に小さくて,でも強烈なパンチは,その小ささゆえに評価されない惧れがあります。選手,関係者の方々,御注意ください。
稀に,際どいダウンがあると,解説者が「レフェリー,よく見てましたねぇ」なんてことをいいますが,採点者がすべてを正確に判断できるとは思わないでください。いや,むしろ,正確な判断なんて,他人には無理です。ゲームみたいに体力ゲージがあるわけではありませんから。非常に極端ないい方をすると「すべて想像」です。「強かったよな」っていう。ですんで,ジャッジに批判的なコメントもありますけど,筆者は,「そう見えたんだから,しょうがねぇじゃん」って思います。
で,そのLinaresの相手は,サウスポーのMercito Gestaでした。サウスポーですから,「和式」のセオリーだと前に出てる手の方向である右に回るべきで,対する右構えのLinaresは左側に動いていくべきだったんですけど,かなりの頻度でLinaresは右に動いてました。
これが都合悪かったんでしょうね。サウスポーだった西岡利晃選手も,小泉氏もLinaresの動き方向にノー・タッチ。都合の悪いことは黙殺です。最低の対処です。生きものとして「あり」なのかさえ,疑問です。
もしLinaresが将来,指導者として日本に残れば,この「和式」のセオリーが覆されるかもしれません。でも,きっと,ベネズエラに帰国することでしょう。つまりは,「和式」のセオリーは続く,ってことです。
結果はわりとLinaresの圧勝でしたけど,Linares,相変わらず,空間がないと打てないんですね。
空間があると,速い連打が効きます。左アッパーも打てます。
でも,空間がないと打てないんですね。空間をつくる動作が皆無なんです。
左の腹打ちの得意なLinaresが,サウスポー相手だと,その左の腹打ちがほとんど出ませんね。サウスポーってのは腹の右側が近くに位置しますから,左の腹打ちの「スイング空間」が十分にとれないんです。そのせいで,サウスポーが相手だと,Linaresの左の腹打ちは極端に減ります。
これが,帝拳の悪しき伝統です。「ショート」というものを知らなすぎ。以前に書いた,かけ算九九でいうところの「6の段」っていう「存在自体」を知らないんです。とりあえずは「2の段」とか「3の段」で,かなりはフォローできますけどね。あるいは,足し算が異常に早ければ,そこそこカバーできます。帝拳の選手は,それです。「6の段,憶えろよ」で済むんですけど。「小2だろ?」と。名門ってことになってますが,「小2」に届いてません。
以前,サウスポーが相手でもしつこく左の腹打ちを出していくJosé Carlos Ramírezを絶賛しました。解説者は触れませんけど,サウスポーの利点ってのは,左の腹打ちの強打を食い難いところにもあります。あ,解説者,「触れない」んじゃなくて「知らない」のかも…?
あ,で,そのLinaresが日本でやったのは2014年12月30日にまでさかのぼります。ずいぶんと前ですが,これには,「スポンサーがつかない」っていう哀しい背景があるんですね。悪くいうと「島国根性」っていうんでしょうか。Linaresはベネズエラ人ですんで,いくら資金力の潤沢な帝拳の選手とはいえ,興行が成り立たないんです。そのお蔭でWOWOWでくらいしか視聴できず,一般の知名度や人気が上がることはありません。どんどんマニアックな存在になります。
昨年から大リーグで導入された「申告敬遠」ってのが,どうやら日本でも間もなく導入されるそうですね。その目的は「試合時間の短縮」なんだそうですが,昨年の大リーグの試合時間は,短くなってないんだとか…。でも,アメリカの属国チックな日本ですから,おそらくは導入されるんでしょう。
日本でも,川島郭志選手あたりからですかね,1時間番組で中継することが多くなりました。山中慎介選手の世界戦なんて,ほとんどがそうじゃありませんでしたかね? 1ラウンドが3分ですから,「3 × 12」と,ラウンド間の11分で,合計すると47分。日本は集計が早いんで,前後のアナウンスを含めて1時間番組で,って魂胆です。
が,Linaresだけでは1時間番組をつくれないんですね。ですんで,「抱き合わせ」では考えられるものの,単独では無理。そんなもんなんです。帝拳といえども。
そんなわけで,山中選手が再び戴冠するか,あるいは村田諒太選手が防衛を果たすか,はたまた疑惑の尾川堅一選手が王座を剥奪されないか,っていう前提条件つきで,「抱き合わせ」限定でLinaresが日本で試合をすることが考えられます。いい方を替えると,そうでないとLinaresは日本で世界戦ができません。集客力,足りませんから。
大昔のことですけど,薬師寺保栄選手と辰吉丈一郎選手がWBC118戦をやったときのコーナー・ポスト,何だったか,御記憶でしょうか? 「永谷園」です。いや,「永谷園」の企業イメージにどうこういうつもりはありませんけど,「永谷園」って,ねぇ…。でも,デカいスポンサーでしたから,しょうがない,っていゃ,しょうがない。
そのLinaresのギャラが,Dan Rafael氏の記事に出てました。
記事によると,Linaresは30万ドル,Gestaは7万ドル,Lucas Matthysseが21万ドル,ถิรชัย อ.เอกรินทร์が4万ドル,とのこと。
簡易的に1ドルを110円として計算すると,それぞれ,3300万円,770万円,2310万円,440万円ってことになりますけど,これ,日本の感覚では,異常なほどに安価です。が,Linaresの国際的な評価は,「そんなもん」なんですね。いや,「そんなもん」がメイン格になれるんですから,大したもんなんですけどね。日本以外でなら,って条件つきですけど(タイ人の「買い叩かれぶり」には触れません)。
残念ながら,Linaresが単独で日本で興行のメインに出場することは不可能です。言葉ぁ悪くなりますが,「Linaresごとき」に「3300万円」は出ません。そんな世界なんですよ。
また言葉は悪くなりますけど,興行の成否は,「いかに素人を騙せるか」です。なのにWOWOWでしか見ることのできない,マニア度大な選手に,素人は騙されません。地上波で,インチキ解説で喧伝しないとダメです。まぁ,アイツら,インチキが過ぎますけどね。バント知らないレベルですから。変化球に驚愕するレベルですから。レベル低すぎ。