非常にゲスなギャラの話

いつも通り,『球辞苑』を見てたところに大事件が。ナレーションはナイツの土屋伸之さんなんですけど,「早急」を「そうきゅう」って間違ってました。正しくは「さっきゅう」です。

この番組はNHKで,まぁ,NHKらしく「ら抜き言葉」を野球選手が喋っても字幕では「ら」が入ってますし,「凄い」ってのも副詞的なものは「凄く」って正されてます。あ,「ら抜き言葉」は誤りではないとも思われますけどね。

ですが,ナレーションで「そうきゅう」ですよ。天下のNHKが…。カネ,払わねぇぞ,おい。ちなみにNHKは,「国営放送」ではなく,「公共放送」です。念のため。

本来であれば,ナレーションを撮り直すべきでしょ。でもそのまま放送しちゃってた,ってことは,ナレーションに関わってた人間「すべて」が,これに気づかなかった,つまり,勘違いしてた,ってことですね。あー,怖い怖い。恐らくは大卒でしょうけど,大学ってところは,小学校よりも低レベルかもしれません。常識力,なさすぎ。

フジの『全力! 脱力タイムズ』での滝沢カレンさんのナレーションを思い出しちゃいました。滝沢さんがインチキな日本語を喋るのは理解もできますけど,土屋さんまでもが…。しかも,NHKで…。あ,土屋さんと滝沢さんはNHKで同じ番組に出てるから,いいのかな?

この誤りが,筆者がまだペーペーの会社員だった頃に,協力会社の上司にあったんですね。まさしく「そうきゅう」を,連発してました。

さらにはこの人物,「代替」を「だいがえ」っていってたんですね。正しくは「だいたい」です。まぁ,意味はわかりますよ。いいたいことは,わかります。でも,間違いです。「人という字は…」って,「入」を書いちゃうくらいの大間違いです。

が,一応は別会社ですんで,いわずにいました。そのせいか,連発ですよ。そのたびに気になってました。

もちろん,筆者にも間違いはあると考えられます。が,筆者は,間違ってたら,その場で指摘してほしいタチ。とはいえ,ペーペーだったらまだしも,それなりの年齢になってから,ペーペーが指摘できるかどうか,疑問です。

例えばですよ,上司が,バレバレのヅラだったら,どうしましょうか? 誰もが,ヅラだってわかってんのに,上司だから指摘しづらいでしょ。もはや暴力でしょ。あの知事とか…。日本語の誤りも,そんな感じかもしれません。知らぬは本人ばかりなり。ということで,筆者はできるだけ間違えないように気をつけてはいますけど,何かやらかしてそうなことがあれば,御指摘ください。

で,弊WWWサイトは,月~金にニッポン放送の『ビバリー昼ズ』を聴きながら書いてるんですけど,そのせいで,尾川堅一選手のドーピング疑惑に触れるのが遅れました。

現時点では事実関係は不明なものの,この関連で,尾川選手のギャラが判明しましたので御報告。

Dan Rafael氏によると,尾川選手のこの試合におけるギャラは,7万ドルだそうです。大雑把に1ドルを110円として計算すると,7,700,000円ですか。1千万円に届かないんですね。海外での140の決定戦なんて,実は,こんなもんです。

日本だったら,「世界」って名のつくボクシングの試合で,ギャラが1千万円を下回ることは,あり得ないでしょう。そりゃ,アジアの選手たちが日本に来たがるはずです,って。ケタが違うんですから。勝っても負けても,明らかな無気力試合でなければ,ガッポリですもんね。

ドーピング疑惑のことは,現時点でははっきりしてないんで,触れません。

そんなわけで,いつも通り『WOWOWエキサイトマッチ』を視聴しました。注目してたのは2点。Miguel Cottoの利き腕と,Sadam Aliの「Ali」のイントネーションでした。

Cottoに関しては,以前から「左利き説」ってのが存在してます。が,実際に筆記具をもってる場面を見たことがないんで,確認できずにいました。でも,今回,Cottoのラスト試合ってこともあって,Cottoの過去の試合も放送されてましたが,Cotto,いろんな動作を左手でやってるんですね。勝って歓喜しながら手を挙げたのは,左でしたし。

ですんで,確信はないものの,たぶんCottoは左利きでしょう。左利きながら右構えに構えるのは,以前にも書いたように,トレーナーが練習生たちを回りつつミットを受ける,っていうのをやるのに,練習生みんなが同じ構えであることが望ましい,っていうことに起因すると考えてます。あ,これまた,確信はないんですけどね。

それから,「Ali」のアクセント。かつてのヘビー級王者・Muhammad Aliは,スペイン語の報道ではしばしば「Alí」て表記されるくらい,後ろアクセントの音なんですね。ですんで,筆者がカナ表記するときには「アリー」って書いてます。

ですんで,「Sadam Ali」も気になってはいたんですけど,いかんせん,リング・アナウンサーが「ほぼすべて英語読み」で誤りが非常に多いMichael Buffer氏だったんで,信憑性に「?」でした。

そのBuffer氏は,「Sadam Ali」を,後ろアクセントで読んでましたね。「サダム・アリー」みたいな。ですんで,Buffer氏っていう大きすぎる不安要素があるにはあるんですけど,後ろアクセントということにしましょう。

なんで,そんなアクセントやイントネーションにうるさいのか,ってぇと,外国人と喋ると,通じないことが少なくないためです。

以前にも書いたように,「Roberto Durán」を「デュラン」っていって通じるのは,たぶん「日本限定」です。これは「免税店」の「デュ」の音ではなく,「DIY」の「ドゥ」の音が正解。で,後ろアクセントが明示されてますから,「ドゥラーン」ってな感じに発音しないと,通じないんですね。いっぱい喋って,「あの,ライト級の倒し屋だよ」っていって,やっと「あ,Roberto Duránね」ってことになります。

『ビバリー昼ズ』でも,火曜日担当のニッポン放送の新保友映アナウンサーがいってました。新保さんの地元は山口なんですけど,幼い頃は真ん中アクセントで「とえちゃん」って呼ばれてたそうです。違和感ありありですけどね。

それを受けて,東貴博さんが,「平坦にタカヒロっていうと,Exileのほう。オレの場合は,『カ』にアクセントを置いて読む」っていってました。

アクセントとかイントネーションって,気になり始めると,気になるものなんです。気にしなきゃいいんでしょうけどね

と,その2点に注目してたんですけど,もう1点,気になっちゃいました。

これまで,『WOWOWエキサイトマッチ』ではスペイン語の「Juan」って名を100%「ファン」って表記してましたが,今回から「フアン」って書いてるようです。

「Juan Alejo」を「フアン・アレホ」と。

とはいえ,まだ不満なんですけどね。

スペイン語で閉母音と開母音が続く2重母音の音は,開母音にアクセントが行きます。ですんで,「Juan」は「a」が強く読まれて,「フアーン」っぽく聞こえます。遊び人として有名な「Don Juan」は,「ドン・ファン」って書かれることがほとんどですが,これだと通じないんじゃないでしょうか? 「ドン・フアーン」っぽくいうべきです。

そんなこといったら,「Alejo」は「アレーホ」なんですけどね。ほら,イチイチ,いろんなところが気になっちゃいます。杉下右京さんより,細かいことが気になっちゃうタチです。

脱線ついでに,ギャラの話を続けることにしますね。

かつて,Floyd Mayweather, Jr.Manny Pacquiao戦をやった年に,異常な高額ギャラを得たことが報じられました。

ちゃんと記憶してませんけど,Mayweatherが1億8千万ドル,Pacquiaoが1億2千万ドルだったかと思われます。これも単純に1ドルを110円とすると,1億8千万ドルは198億円,1億2千万ドルは132億円ってことになります。

これは「ギャラ」つまり「最低保証額」ですんで,ここに,テレビ中継の歩合とかが足されることになります(「ギャラ」っていうと,怒られるんですけどね)

Pacquiaoは1995年1月22日に16歳でデビューしてるんですけど,これまた記憶が曖昧ではありますが,そのときのギャラは100ペソほどだったといわれてますね。100ペソってのは,今だと1ペソ2円くらいなんで200円程度,ってことでしょうか…(調べる気なし)

その年の本業(スポーツ)の収入では,Mayweatherがダントツで,以降,バスケットボールとかサッカーの選手とかが続いてました。ここに,若干の問題があります。

日本の選手の多くが,トランクスにさまざまな企業名を入れてますね。また,リングとかコーナー・ポストとかにも企業名が入ってて,そこからスポンサー契約料が加算されます。でも,海外の試合では,わりと,試合をプロモートした会社がコーナーに書かれてる上に,トランクスには企業名が入ってないことも多いんですね。

さらには,ボクサーって,その競技のイメージのせいか,わりと,広告収入が少ないんです。

大昔,Mike Tysonが日本でビールのCMをやってましたけど,あれは非常に例外的なケース。ボクサーって,スポンサーがつき難いんです。

ですんで,発表されるスポーツ収入だとボクサーがダントツだったとしても,そうした雑収入を含めると,そう多くはなかったりするんですね。

この,スポンサー料ってのが,わりとバカになりません

例えば,スキーのジャンプの選手なんかが,インタビュー時にスキー板を立てて喋りますね。あれは,スキー板に書かれてる企業名を目立たせることが理由です。

その他,テニスの錦織圭選手がユニクロ日清食品なんかのロゴ入りの服を着用してたり,メーカー名が目立つラケットを使用してたりします。こうしたことで,スポンサーの名前が宣伝されて,選手にもガッポリと入ります。

ここが,ボクシングとは大違いなんですね。

いや,ボクシングはまだ,いいかもしれません。特に日本のトップ・ボクサーともなれば,1試合につき何千万円っていうことになりますんでね。

日本で生中継のある日本人選手となると,そのギャラは確実に8ケタ(数千万円)になります。深夜でもテレビ放送される興行のメインともなれば,7ケタ(数百万円)になります。上記したように,さらにスポンサー収入があったりもします。

そう考えると,アメリカでやった尾川選手の「1千万円に満たないギャラ」って,気の毒すぎるほど低額でしょ。でも,これが国際的な相場です。日本が異常に高いだけ。

あ,今はわかりませんが,キックの選手はもっと笑うくらいに低額でした。

20世紀末にまでさかのぼると(その頃しか知らなかったりもします),ある日本人世界王者が,後楽園ホールをいっぱいにするくらいの人気があったにも関わらず,副業(?)として水道のメーター読んでました。

また,同時期,ちょい後の人気選手だった日本王者も,某掃除会社の玄関マットを運んでましたからね。つまり,本業(?)のキック・ボクサーとしてだけだと,食っていけなかったわけです。人気王者でさえも,そんな状況でした。

この両選手とも,キックっていう本業(?)の他に,所属ジムの指導者も兼ねてた記憶があります。そんなもんでした。

にも関わらず,技術的には,もうちょっとレベルが落ちるかな,って思うくらいの外国人選手が,数百万円のギャラを得てたりしてました。「デカいだけだろ…」って愚痴も聞こえてました。

あ,そうそう,キックの選手ですんで,ジムがタイ料理店をやってるところもありました。そんなところの選手たちは,そのタイ料理屋のウェイターをやってたりもしましたね。今でこそ「会いにいけるアイドル」みたいなことがウリになり得ますけど,キックのマニアは,タイ料理屋に「選手に会いに」行ってたりもしました。

今は廃止されてますが(表向きは,ね。実情は知りません),かつて,若手ボクサーのギャラはチケットで支払われてました。

そのチケットを選手自らが売り捌いて,収入とするシステムでした。

でも,考えてもみてください。自分の試合のチケットを,額面通りに売れますか? 知り合いに「ボクの試合なんですけど…」ってチケット売るとしたら,安く売るでしょ。

ただでさえ現金じゃなくて,さらにはチケットの合計額もそんなに多額ではないのに,さらに安売りするわけです。さすがにPacquiaoの「200円程度」ではないとしても,日本円で5ケタに満たないこともザラだったそうです(伝聞ね)

「ハングリー・スポーツ」なんてこともいわれますが,成功しても,大したカネを得られないことさえあります(「した」か?)。たぶん,割に合いません。そんな競技ですんで,筆者は,知人や家族に薦めることはないでしょう。