井岡一翔選手,引退だそうで。わりとデカデカと報じられてましたね。
まだ30歳前ですから,惜しむ人も少なくないでしょう。でも,わりとハードな競技ですからねぇ…。それを考えると,本人次第,ってことが強い気がします。「ボロ負けして引退」よりも,いいような気もしますし。まぁ,人それぞれ,でしょう。
昨年末の国内での世界戦,一応,録画はしてあるものの,ほぼまったく見てません。あ,結果は押さえてますけどね。でも,正直なところ,あんまり興味がなかった,っていう感じでしょうか。
これまた報道されてたことですが,足ありの那須川天心選手が国際式にも参戦するとか何とか。
これは筆者の何十年も前の感覚なんですけど,わりと日本のボクシング連盟は頭が硬いんで,キックのプロは,キックのプロ資格を保有したままだと,ボクシング(国際式)のリングに上がれないんじゃないかと思っちゃってます。いや,今の連盟の会長に代わってからのことは,わかってませんけどね。
日本以外だと,プロ・ボクサーになるのに「プロ・テスト」ってのが,ないのがほとんど。では,技術的な裏づけはどこでするか,ってぇと,アマチュア歴とか,似た競技の戦績とかが活用されます。Floyd Mayweather, Jr.とやったConor McGregorには国際式のプロ経験はありませんけど,MMA(総合格闘競技)とかで20戦以上の経験があって,「似た競技」ってことでライセンスが発行されましたね。まぁ,それでいきなりMayweatherとやれる,ってのも,ちょっと疑問ではありますがね。
ですんで,なぜか『WOWOWエキサイトマッチ』では「この選手はアマチュア経験がありまして…」みたいなことをビックリ気味に報じますが,それが当然なんですね。日本みたいに,アマチュア歴がないのにプロになれちゃうのが「例外」なんです。あまりにもリサーチ不足すぎます。やっぱり小学生なんでしょうね,スタッフ全員が。
そんなわけで日本以外でなら那須川選手が国際式で活動できるとは思いますけど,日本ではどうだか…。わりと閉鎖的な世界ですから,足ありのライセンスを返還しないと,ダメなんじゃないでしょうか?
でも,もし国際式のリングに那須川選手が上がったら,かなり活躍することが期待されます。
何せ,「和式」のサウスポー対策は間違ってますからね。左構えに対して右構えが左に動くと,サウスポーの格好の標的になるだけで,右構えは強い右を打ち難くなります。
その上,サウスポーの那須川選手は左の腹打ちも大好きなようですんで,「和式」の右構えとやったら,左の腹打ちでKOの山を築いちゃう気がします。那須川選手が飛び込んで左の腹打ち,とか,ちょっと間を置いた瞬間に那須川選手が左の腹打ちを肝臓に送る,とか,ね。それで勝ち上がっていきそうに思います。
ただ,日本のコミッションがライセンスを発行するかは疑問です。
あ,昨年末の世界戦で,わりと気になってたのがありました。WBAとIBFの108統一戦がありましたね。それの最初の部分だけ見ました。曰く,「ライト・フライ級王座統一戦」だとか…。
どうなんでしょうかねぇ…。IBFは108を「ジュニア・フライ級」っていってますんで,これ,アメリカとかで開催されてたら,「108ポンド級統一戦」っていう気がします。
あ,Michael Buffer氏は平気でIBFでも「light flyweight」っていうでしょうけどね。あの人,独自の解釈で突き進む傾向がありますから。メキシコの英雄であるJulio César Chávezを「チャベーズ」,Humberto Gonzálezを「ゴンザレーズ」っていっちゃった前科があるほどですもんね。そりゃブーイングも飛ばされます,って。あれだけ独自路線を突き進めば。
日本語も他人のことをいえたもんじゃないとは思ってますが,英語って,かなり暴力的です。例えば,フランスの「エルメス(Hermès)」を「ハームズ」,「メルセデス(Mercedes)」を「マーセイディズ」のように発音しちゃう場合が少なくありません。日本人だと,会話が噛み合わないことさえあります。Buffer氏の発音には,そんな「何でも英語読み」傾向があります。
ちょっと最近の様子を確認できてないんですけど,WBCの会長の姓を「スーリャマン」っていっちゃってましたもんねぇ…。正しくは「Sulaimán」ですから,カナで書けば「スライマーン」っぽくなります。それを「スーリャマン」ですもん。大事件ですよ。たぶん「Suliaman」と,アクセントも綴りも間違って記憶しちゃってることでしょう。
人名で思い出しました。
中国の報道官か何かが,パンダの赤ちゃんのことを訊かれてトンチンカンなことを応えて,笑われてましたね。「香香」を「杉山」ってきき違えたんだそうで。
中国語を御存知の方は多くないかもしれませんけど,中国語にも「かな」に相当する「ピンイン」ってのがあって,それで書くと「香香」は「xiāng xiāng」,「杉山」は「shān shān」って書くようです(知らなかったんで,調べました)。
ピンインでは,「h」がつくと舌を巻くんですね。ですんで,「杉山」は舌を巻いて「シャンシャン」。一方,パンダの名前は舌を巻かずに「シャンシャン」。日本語には「l」と「r」の違いもないくらいに舌を巻く感覚がありませんから,日本人にはほぼきき分けがつかないんですが,中国人は,わりとわかるようです。が,間違えて恥をかいた,と。
あ,「x」で思い出しましたが,中国語の感謝の言葉は「謝謝」で,「xiè xiè」って書きます。これを誤って「シェイシェイ」っていっちゃう向きもあるんですけど,正しくは「シエシエ」です。「e」の上にある棒が下に向いてますから,上から降りるような「シエ」ですね。同じ音が繰り返される場合には,後ろの音のこの「高低」は甘くなりがちですんで,「xiè xiè」の後ろの「xiè」は上下を考えずに「シエ」でOK。いや,中国語はほとんど,わかんないんですけど…。
階級の話に戻ると,WBCはずっと以前から「スーパー」って呼んでました。ですんで,Julio César Chávezが最後に制した王座は,当時から「WBC super lightweight」の王座でした。もちろん浜田剛史氏も,そうです。
いつからか日本は「ジュニア階級」を「スーパー階級」にしましたね(いつからなのか調べてません)。WBAも,ずっと「junior」ってしてた階級を「super」にしましたから,同じようなタイミングだったかもしれません(だから調べろよ)。
でも,IBFとWBOは,相変わらず「junior」のまま,なんですね。
例えば140は,WBAとWBCとJBCは「スーパー・ライト級(super lightweight)」ですが,IBFとWBOは「ジュニア・ウェルター級(junior welterweight)」です。ですんで,この階級の統一戦が行われる場合,団体に配慮して「140ポンド級統一戦」なんてことをいいます。名称が違いますからね。
ですんで,日本で行われた108のWBA/IBF戦に関心がありました。わかりきってたものの,「一応」ね。
でも当然のように,「ライト・フライ級」っていう名称での統一戦でした。
と,結果をわかった上でアメリカの報道を見ると,わりと高い頻度で「junior flyweight」って報じられてたんですね。まぁ,どっちでもいいっていえばいいんですけど,どうやら『Ring』では「junior」が使用されてますから,どっちかってぇと,英語圏では「junior」派が有力なのかもしれません。
なぜ「junior」廃止の向きが強いのか,ってのを,20年以上前に,母国語はスペイン語で英語が喋れるメキシコ人と喋ってたときのことを記すと,「junior」だと「少年の部」的な感じがあるからじゃないか,ってことに落ち着きました(繰り返しますが,20年以上前の,たった1人の,しかも母国語が英語ではない人間との雑談ですからね)。
実はアメリカには「ジュニア・オリンピック」なるものがあって,これがまさに少年しか出られないんですね。
実は,1969年生まれのRoy Jones, Jr.も1984年に優勝してます。このときJonesはバンタム級で優勝。15歳くらいで全米のトップになってたわけですから,脱帽です。
そんな背景もあって,「junior」は使われない方向に行ってるんじゃないか,って,勝手に推測してはいるものの,IBF(これはコッテコテのアメリカの団体)とWBOは今も「junior」ですし,英語に厳しいはずの『Ring』が「junior」ですから,正しくないことが大いに予測されます。
階級名っていうと,わりと軽視されてる気がするのが105。
英語表記でも,WBAとWBCが「minimumweight」,IBFが「mini-flyweight」,WBOが「mini flyweight」と3種類に別れてます。 つまり,WBAとWBOの105王者が統一戦を行ったら,それを「ミニマム級王座統一戦」ってのは,ちょっと暴力的なんですね。
で,これ,スペイン語だと,これまた違ってきます。
WBAは「minimum」をスペイン語にした「mínimo」で「peso mínimo」なんですが,IBFとWBOは「peso minimosca(「mosca」は「蝿」)。で,WBCは「straw」を意味する「paja」を用いて「peso paja」っていいます。直訳すると「strawweight(ストロー級)」です。
ジョー小泉氏が,数年前に「ミニマム級はスペイン語で『ペソ・パハ』っていいます」って妄言を吐いてましたけど,これはWBCに限った表現で,いってみれば,正しくないんですね。もちろん,それで通じることは通じます。「あ,105ね」ってことは認識されますけど,言葉として正しくありません。インチキだらけです。誰か真に受けちゃったら,どうすんでしょうか?
余談ですけど,「paja」は,男性の自慰も意味しちゃうようですから,あんまりきれいな言葉ではないようです。そう考えると,その言葉を躊躇なしに「スペイン語では…」って断言しちゃうオヤジの頭を疑いますよね。最悪です。
というように,105は軽視されてる気がします。
あ,また思い出しました。
どこかで見たネット・ニュースにて,「バンダム級」ってのを目撃したんですね。バカすぎませんか?
当然のように筆者にも「ペーペー」の会社員だったことがあって,そんな「下っ端作業員」が文書をつくる機会がありました。そんなとき,筆者が書いたものを3~5年上の社員がチェックして,いた島のトップ(当時は課長代理)がチェックして,で,その上で課長に渡ってました。
また,社外(顧客)に出す文書の場合には,そこにさらに課長チェックが入ってました。不明ですけど,その後,部長チェックも入ってたと想像します。
課長チェックまででも,3段階ですか。最低でも,そういうチェックを経てOKが出ました。
ところが,ですよ。
いくらネット・ニュースが軽視されてるとしても,また,どんなに格闘競技が軽視されてるとしても,「バンダム級」ってのを素通りって,考えられますか? 外部に出す記事ですから,間違いは赦されないはず。なのに「バンダム級」ですもんね。
似てるから,ってのは,理由になんないでしょ。たぶん,本気で「バンダム級」だと信じちゃってるんでしょうね。バカすぎます。
似てりゃいいんだったら,「クリスマス」を「クソスマス」って書いていいんでしょうか? ナイツの塙さんが「クリリン」を「クソソソ」ってボケますけど,似てりゃOKになっちゃうんだったら,塙さんのボケはまるで通じないことになっちゃいます。
「バンダム級」を晒しちゃったヤツらには,ナイツの土屋さんみたいなポジションはいなかったんでしょうか? いや,「ツッコミ」じゃなくて,平易な訂正レベルでしょうに,こんなの。
3人集まっても,クズはクズのままです。決して「文殊の知恵」にはなりません。「0.1」でもあれば,10回足すと「1」になりますけど,「0」は何億回,足しても「0」のままなんですね。それを実証する出来事でした。
そういえば,未見なんですが年末のWBO112戦は右構えと左構えの対戦でしたね。推測ですけど,左構えの元世界王者が,「古典」の「右に動く」をやって叩かれたんじゃないかと思ってます。根拠は,「古典」大好きな帝拳の選手だから,ってだけなんですけど,次回くらいまでには見たいと考えております(断言はしません)。
その五十嵐俊幸選手,どうやら,引退を表明しましたね。未見なのに生意気なことを申し上げると,「古典」を盲信してボロ負けしたとすれば,人1人を「盲信」で潰したことになるような気も…。それを名門って,いうんだか…。
まだ見てないんですけどね。
ボクシングにはほとんど関心がなかったんですけど,年末年始,かなりテレビを見てました。
中でも特に心を打たれた,っていうか,やられたのが,BSフジでやってた『大人が知らない!! 日本史の新常識2』ってヤツ。これ,筆者が記憶してた常識を,かなり打ち破られましたもんね。
日本史は,どんどん変わってるようです。なのに「和式」のボクシングは…。ホントに名門? カネがあることは認めざるを得ませんけど…。