続・和製英語

以前,「Román González」っていう名前を,アクセントの位置してない「ロマゴン」と略すはずがない,ってなことを書きましたけど,そのGonzález,負けちゃいましたね

相手はタイ人でした。そのタイ語表記は,「ศรีสะเกษ ศ.รุ่งวิสัย」。WOWOWでは「シーサケット・ソールンビサイ」って紹介してました。

スタッフの中に1人くらい,タイ語がわかる人って,いないんでしょうか? そりゃタイ語がわかっても,それほど得はありませんけど,1人くらいいても,よさそうに思います。

こう書いて,カナだと「シーサケット・ソー・ルンビサーイ」って感じですかねぇ…。明らかに違う点は,「ソー」で1語を分ける点が存在します。

これ,いわば「イニシャル」なんですね

タイ語は普通(乱暴なモノいいですけど),子音1つで「オー」をつけて読みます。

ですから,「ศ」は英字のアルファベットの「s」に相当する感じ。

「s」を「オー」で読みますから,「ソー」っぽくなります。

同じイニシャルが用いられてる王者がいました。「เนตรน้อย ศ.วรสิงห์」と「สุริยัน ศ.รุ่งวิสัย」です。ほら,ともに「ศ.」が見つけられるはずです。

わかり難いんで英語にすると,「Netrnoi Sor Vorasingh」と「Suriyan Sor Rungvisai」ですね。

この他にも,イニシャルが用いられてる王者は多いんで,列挙しましょうか。

それぞれ,英語にすると,こうなります。

あ,「ヨーサナン・3Kバッテリー」って表記される選手は,タイでは「ยอดสนั่น 3เคแบตเตอรี่」って表記されることが多くて,この場合はイニシャルが含まれません。でも,別名として「ยอดสนั่น ส.นันทชัย」って書いて「ソー・ノンタチャーイ」って読むことがあって,この場合には「ソー」が使われます(複雑ね)

が,タイ語では分かれてるのに英語表記で1語になっちゃってる選手を挙げましょう。

の5選手ですかね。ですから,英文レポートなんかでは「Sorjaturng」って普通に書かれちゃってるんですけど,「ソー・チャトゥローン」的に,イニシャルとそれ以後が分かれます

ちょっと例外的なのが,日本でも馴染みの「หยกไท ศิษย์ อ.」ですかね。真ん中じゃなくて,ケツに「.」がつきますが,この場合の「อ.」は語が分かれて,「シス・オー」みたいに書くべきなように思います。

また,イニシャル3連続なのが「เวนิส บ.ข.ส.」。聞いた感じでいうと,「ウェニス・ウォー・コー・ソー」みたいな感じでしょうか。カナでは大抵「ベニス・ボーコーソー」って書かれちゃいますけど,もしかしたらタイ人には通じないかもしれません。

ともあれ,「ソー・ルンビサーイ」の「ソー」は別の語なんですけど,1人くらい,タイ語のわかる人って,いなかったんでしょうかねぇ…。非常に残念です。

英文のルール・ブックも読んでないし,タイ語わかるスタッフもいないし…。何なんでしょうか。英語表記でイニシャルが明示されてなくて,「พรสวรรค์ ป.ประมุข」を「ポンサワン・ポープラムック」って2語にしちゃうことは,タイ語がちょっとでもわかれば,起こり得ないと想像きます。

まぁ,それだけ,タイ語がわかんない人が担当しちゃってる,ってことなんでしょうね…。

例えば,ケネディー大統領のことは「ジョン・F・ケネディー」っていいますね。あと,ブッシュ大統領親子も,「W」と「H. W」を間にいれて分けることがほとんどですが,ケネディー大統領を「ジョン・フーケネディー」っていわないのと同様に,「ポープラムック」とは表記しません。

あ,タイ語でちょっと関連しそうですが,日本と韓国以外は,ダウンしたときのカウントを,その国の言語で数えるのが普通です。

うーん,いわゆる「意識高い系」なんでしょうか。あ,嘲笑対象っぽい感じですが,日本と韓国は,「英語かぶれ」度が高いんで,ダウンすると英語っぽくカウントをとります。が,スペイン語圏とかタイとかでダウンすると,スペイン語やタイ語でカウントされます。

ただ,非常に例外的に英語でカウントしてくれることがあるんですね。

知人の話で恐縮ですけど,知人がある国でダウンを食ったときに,レフェリーがカタコトの英語でカウントしてくれました。これ,きっと「温情」だったと思われます。一応,カウント途中で立ち上がりましたが,判定でボロ負けだった記憶があります(そりゃ,ダウンしてますもんねぇ…)

そんな英語の話の続きですけど,ラウンド間の1分間のことを何ていいますか? これ,英語では普通,「Rest Time(休憩時間)」っていうんですね。「インターバル(Interval)」っていう語は,メッタに用いられません。ということは,なぜ日本でカタカナでいうんでしょうかね。そのほうがカッコいいんでしょうか? う~ん,意識高いのね。

韓国のボクシング中継を見てないんで推測になっちゃいますけど,おそらく,日本と同じくらいに英語大好きな韓国でも,「インターバル」っていうんじゃないかと思われます。スミダ。

それから,あの横分けオヤジが「オープン・ブロー」って言葉を多用しますけど,これも,英語ではありません。英語ではこれを「Hitting with Open Glove」みたいにいって,「Open Blow」とは,いわないんですね。ですから,「オープン・ブロー」っていう言葉を使う人物を見たら,「かぶれてんのね…」って思っちゃっていいかもしれません。

もちろん,「Open Blow」っていっても,「開いた打撃」ってことですから,意味はわかることと想像できます。が,英語ではありません。

そう考えると,「かぶれ」度は高そうですね。筆者もですけど…。