ちゃんと数えてませんが,『WOWOWエキサイトマッチ』を見てると,5分に1回くらいのペースで「バカじゃん」って思っちゃいます。つまり,そのくらい頻繁にアナウンサーと解説者が「やっちゃってる」わけです。あれ,意図的なのかなぁ…。って思うくらい頻繁です。
「WBC」って単語で何を思い浮かべるかで,野球派かボクシング派かがわかりそうですね。後者は異常に少なそうですけど…。
野球っていえば,メジャー・リーガーだった「Manny Ramírez」っていう選手が四国の独立リーグに来たことが話題になってますけど,あれ,御覧のように「Ramírez」って綴りますから,カナにすると「ラミーレス」になるのが適切な気がしませんかね?
同様に,横浜DeNAベイスターズの監督も「ラミーレス」って表記すべきです。まぁ,本人も「ラミちゃん」っていっちゃってますから,「ラミレス」に馴れちゃってるんでしょうねぇ。伸ばす棒を入れるだけでアクセントの位置が変わるんですから,入れりゃ,よさそうなもんですけど…。
前回,「Puncher」っていうのを御紹介しましたが,「Punch」っていうのは,しばしば強打を意味します。ですから,英語圏の選手のインタビューを見聞きしてると,ときどき「He can box. And he can punch.」みたいなことをいうんですが,単純に「当たり前だろ」ってツッコムんじゃなくて,「彼はテクニックもパワーもある」みたいに警戒してると捉えるべきでしょう。
ただ手数が多くて馬力はまるでない選手を「He can punch.」とはいいませんから。
日本語でいうところの「パンチがある」に相当しそうです。まったくボクシングを知らない人でなければ,これ,単純に「有無」をいってるわけじゃなくて,「パンチング・パワー」の「有無」をいってるって,わかるでしょ? 英語の「Punch」も,そんな感じです。
といったところで,今回のお題。
『WOWOWエキサイトマッチ』では今もまだFloyd Mayweatherに「Speed Star」ってアダ名をつけてますけど,これねぇ,本人の性格にもよりますが,もしかしたら殴られますよ。カミナリの漫才よりも厳しいツッコミを入れられますよ。だって,誉めてませんもん。
と,思ってたら,Generationsか何かが『Speedster』っていうCDを出しちゃったではありませんか。これは大事件です。
WOWOWの「Speed Star」には,2つの間違いがあります。
そもそもが,これは「Speedster」っていう1語になって,輝く星を意味しそうな「Star」ではありません。ですから,「Speed Star」は英語として間違い。
続いて,「Speedster」って正しく綴ったとしても,意味が違います。
形容詞に「ster」ってつくと,「それが凄いのは認めるけど,それ以外はカラッキシだぜ」っていう意味になるんですね。ですから「Speedster」っていうのは,かなりの頻度で「スピードはあるけど,倫理観はゼロ」ってことで「スピード違反者」に用いられます。ほら,誉めてないでしょ。
あの,英語がわかることになってる横分けのオヤジがよく「スピードスター」っていっちゃったり,英文レポート中で「Speedster」なる語を使っちゃってますけど,これ,まったく誉めてる意味になりません。あ,「まったく」でもありませんかね。スピードがあることに関しては認めてますもんね。
かつて,弊WWWサイトは『月刊若僧』って称してました。そして,その英語名を「Monthly Youngster」ってしてました。ほら,おわかりでしょ?
若いことは誇れることかもしれないけど,他に利点らしきものはない,ってことを意味します。若干,自虐なんでしょうか。
てなわけで,スピードはあっても技術はまったくない,っていう選手がいれば,それは「Speedster」です。あるいは,MayweatherがVíctor Ortiz戦みたいに反則っぽいこと「ばっかり」やってたら,それは「Speedster」っていっちゃってもいいかもしれません。でも,たぶんキツく叱られます。もしかすると殴られます。だって,「スピードだけだろ?」っていってるわけですから。
たぶん,面と向かってはいえません。
あ,「Víctor Ortiz」は,「オルティース」って後ろアクセントの姓です。念のため。