深くお詫び申し上げます。『WOWOWエキサイトマッチ』,相変わらず,採点について「有効なクリーン・ヒットは相手に与えたダメージで評価します」的な間違いを続けてました。頭,どうかしたままでした。不変のバカでした。
いつだったかの『しくじり先生』で,元「なでしこジャパン」の丸山桂里奈選手が,「オフサイド」を知らなかった,っていう「しくじり」を告白してましたけど,テレビで堂々と採点方法を間違えてるの,って,丸山氏と同等か,それ以上の「しくじり」な気がします。しくじりすぎです。小指1本くらいで済まされる問題ではないように思います(先日,観た『アウトレイジ最終章』の悪影響)。
で,16日の番組ではWBO160戦をやってましたが,あのイギリスの選手はBilly Joe Saundersって名前なんで,もしカナで書くなら「ソンダーズ」っぽくなるのが正解。
かつてのWBOヘビー級王者だったCorrie Sandersは「サンダーズ」なんですけど,160王者は「Saunders」ですから,「サンダーズ」のようには読みません。リング・アナウンサーも「ソンダーズ」っていってましたしね。
放送中で『コンバット!(原題『Combat!』)』の「サンダース軍曹」を紹介してましたが,あれも「Sgt. Saunders」なんで,どっちかってぇと「ソンダーズ軍曹」みたいになります。ってことは,伝統的な間違い,ってことになるんでしょうか。
こういうの,どう扱っていいか,微妙なんですねぇ…。
例えば,「末」と「未」は,長さが違えば別の字になりますね。
ところが,「天」とか「吉」みたいなのは,長さが変わったところで,別の字には,ならないんですね。その昔,JISが「漢字同定」っていう作業で「同じもの」としたヤツです。ですんで,牛丼チェーンは下の棒が長い「吉」の「よしのや」なんですけど,ほとんどの書体で「吉」って字は上の棒のほうが長いせいで,JISでは書けませんでした。が,JISの主張だと「同じ字」なんで,「実装の問題」と。つまり,上の棒のほうが長い「吉」の書体を使うから表せないだけで,下の棒が長くても問題ないよ,同じものなんだよ,ってことでした(つまり,2つの「吉」の同居は非常に困難)。
ところが,「未」と「末」は,別の文字でしょ。例えば「未来」を「末来」なんて書こうものなら,確実に間違いですね。先のことなんだか,過去のことなんだか,わかりません。
「Saunders」と「Sanders」は,そんな関係なんじゃないかと思ってます。「Sanders」って姓がわりとメジャーな姓として存在してる限りは,「Saunders」を「サンダース(サンダーズ)」っていっちゃうのは,明らかな間違いなんじゃないか,と。
あ,筆者は「サンダーズ」って濁って書いてますけど,実際,濁るのが正しい気がします。
野球の「New York Yankees」も濁ります。「ヤンキーズ」って書くべきです。
その関連で(か?),楠田枝里子さんも,ホントは「くすた」って濁らないのが正解なんだそうですね。でも,ほぼ確実に「くすださん」っていわれるんで,「『くすだ』でいいや」ってことなんだそうです。
山里亮太さんも「やまさと」ですし,横澤夏子さんも「よこさわ」ですんで,中田英寿さんクラスの人が出てこないと,濁ったほうが一般化しちゃいそうです。あ,「Sanders」,「Saunders」,「James」なんかのケツの「s」は,通常,濁りますからね。
それはまぁ,いいとして,Saundersに敗れたWillie Monroe, Jr.ですが,あれは左手を傷めたんじゃなくて,「そもそも右利き」なんじゃないかと思うんですね。
一方,Saundersは左利きのサウスポーです。これは確定。髪をかきあげたり鼻をこすったりしたのは左手でしたし,もみ合いになって力いっぱいに叩くのも左でした。ですんで,左利き確定。
他方のMonroeは,何度か鼻を右でこすってたんですね。Monroeと友だちでもなんでもないんで,確認のとりようがないんですけど,たぶんMonroeは右利きのサウスポーです。
解説者は,こういうところを確認しとく義務があるでしょうに。何のための解説者なんでしょうか。置きモノ以下,いや,「以下」じゃなくて「未満」でしょ。推測と勘と思い出話しかしてないんですから。役立たずです。まったくの,役立たずです。
あ,で,その試合の前に放送されたAnthony Yardeですが,リング・アナウンサーは「アントニー」っていってました。これがイギリス式の音なんですね。
イギリスではこれを「アントニー」っていいます。「アンソニー」は,アメリカ的な読み方になります。
ですんで,「マテンロウ」の「アントニー」さんは,「アンソニー」馴れしちゃってる日本人には違和感があるかもしれませんけど,イギリス英語に馴染みのある人からすると,「当然」って感じ。
WBAスーパーとIBFのヘビー級王者であるAnthony Joshuaもイギリス人選手ですんで,この選手をイギリスのリング・アナウンサーがコールするときには,ほぼ確実に「アントニー」っていいます。今後,御注目ください。あ,「目」ではありませんけどね。
サウスポーがらみの話に戻ると,名前は伏せますが,ある日本人選手は「右利きのサウスポー」でした(わりと頻繁にスイッチしてましたけどね)。
わりと多用してたのは,右足を右に大きめに出して右構えになるようにして打つ左フック。時々,右構えで,右にステップして相手のガードの真ん中を打ち抜く左フックを打つ選手がいますけど,そんな感じで打つ左フックを多用してました。
で,その選手がある日,これまた名前を伏せますけど,某サウスポー選手とスパーしたんですね。「B」としましょうか。
わかり難い表現になっちゃいましたけど,こういうことです。
Aからすると,Bの動きは,「ほぼすべて」わかったんだそうです。ワン・ツーで入ってくる,そして,サウスポーの右フックを振ってくる,と,Aからすると「教科書通り」だったそうで。
ですんで,Aは「はいはい,右フックね」ってわかりきってたんで,左カバーを固めて右フックを狙い撃ち。っていうのが,笑うくらいにきれいに入ったそうです。スパーでしたんで,デカいグローブで手のスピードはあんまりなかったんで直撃させても1発では倒せなかったそうですが,それをいいことに,何度もこのパターンを楽しんでたそうです。
終了後,BはAに,「いやぁ,巧いねぇ…」と。あ,Bのほうがはるかに歳上でしたから,Aはわりと恐縮気味に「いえいえ…」っていいながら,心中「バレバレなんだってば」って思ったんだそうです。
そのA,自身では,「ホントは右利き」っていうのを,ちょっとコンプレックスに感じてたらしいんですね。そのせいか,リングで名前を呼ばれるときとか,コーナーなんかで鼻をこすったりする際に,気をつけて左手で動作するようにしてたんだそうです。
「自意識過剰」って思うかもしれませんが,Aはそこまで気をつけて,相手を欺く努力をしてたんだそうです。相手に「アイツの左クロスは注意」って思わせて,「実は右もそこそこ強いよ」と。
という具合に,サウスポーに構えてても,あるいは,右構えをとってても,利き腕はわかりません。が,多くの場合,名前を呼ばれたときに挙げる手とか,鼻をこすったり髪をかき上げたりする動作に,利き腕を使いがち。そういうところにまで注目しておきましょう。
とはいっても,Aみたいに欺いてることもあるんですけどね。