これまでにも,指導者層がバカだ,ってなことをさんざん書いてきました。そういうヤツらが指導してるんですから,まぁ,経済力があるから数打って勝ててるものの,世界的な名選手は非常に出難いのは仕方ないような気がしてます。
どのくらい経済力があるか,ってぇと,1990年台に活躍したメキシコのRicardo Lópezっていう選手が,アメリカでの試合で500万円程度のギャラだったのに,日本での試合では何千万円も稼いでた,っていう話がありました。文字通り,ケタが違うんですね,この国は。そりゃ,来たがりますよ。
名前は伏せますけど,ある東洋人世界王者が,「アメリカか日本でやりたい」って主張してたんですね。アメリカでやって世界的に名を売ることに憧れるのはわかりますけど,その他に「日本」って明言してました。これがまさに「ギャラ」の問題なんですね。だって,ケタが違うんですもん。
母国でやってれば,日本円にして数百万円のギャラが精一杯です。ところが,日本で防衛戦をすれば,数千万円になるわけです。ギャラっていうのは試合結果には無関係に,試合契約時に決まるものですから,勝っても負けても「数千万円」が得られます。母国でやるのの,それこそ10倍のギャラが手に入るわけですから…。無気力試合も,やっちゃうかもしれません。
例えば,月給30万円の会社員が,ある日,突然「次,300万あげるね」っていわれたとします。確実に,賞与より上でしょう。まぁ,300万円を「端た金」と見る人もいるかもしれませんけど,月給30万円の会社員にしてみると「300万円」って,かなり魅力的でしょう。日本で防衛戦をする,ってことには,それくらいの魅力があるんです。
Floyd Mayweather, Jr.の復帰が決まったようですけど,そのMayweatherがManny Pacquiaoとやったときの客の声援が微妙でしたね。客は盛んに「マニー!」っていうコールをしてました。これが,どっちに対する声援なのか,ちょっと迷いました。
日本では「Money」を「マネー」っていいますが,実際には「マニー」っていう感じの音になります。このMayweather-Pacquiao戦はアメリカでの試合でしたから,声援はMayweatherに送られてました。「Money!」コールだったわけです。
「Money」以外にも,英語の発音の傾向が,日本のカナ表記では疑問に思うものがあります。「a」と「o」です。
例えば「James」。この場合の頭の音は,「ジェー」よりは「ジェイ」っぽくなります。「a」は「エイ」なんですね。「エー」じゃないんです。
同様に,「o」は「オー」よりも「オウ」っぽくなります。例えば,否定を意味する「No」も,アメリカ人は「ノウ」っぽくいうんですね。スペイン語でも「No」は「No」なんですけど,こちらは「ノー」っぽく聞こえます。傾向の問題ですが,そんな感じ。
弦楽器の「Piano」も,英語では「ピアーノウ」っぽくなる傾向があります。あ,弦楽器っていえば「Strings」っていう語をカナでは「ストリングス」って書きますが,これのケツの「s」も濁ります。「ストリングズ」っぽくなります。でも慣用的に「ストリングス」って表記するようになってますから,「濁らないほうがカッコいい」っていう傾向は,かなり昔からあったんでしょう。きっと。
あと最近わりと気になったのが,叶姉妹の「メンズ」発言。以前から気になってはいたんですけど,そもそも,「men」って,「man」の複数形でしょ? そこにさらに「s」をつける,って,ナンセンスこの上なくありませんかね? 雑誌の『Men's Non-no』は,複数形の「s」ではなくて,所有格の「s」ですから,これはありなんですけど,男性の複数形を「メンズ」っていっちゃうのは間違いです。
とはいえ,筆者も英語が得意なわけではありません。盛んに突っ込んでますけど,この程度のことは,「知ってて当然」の範囲だと思ってます。何しろ,英語の「訛り」が,わかんないんですからね。
実は,Sylvester Stallone氏の英語って,哀しいくらいに訛ってるんだそうです。U字工事さんとかカミナリさんレベルなんだそうです。
そういわれてみれば,Stallone氏は数のわりに賞を得てない気がしますね。どうやら,かなり訛ってるんだそうです。そうきいてから,筆者も言語でStallone氏の映画を視聴してみましたけど,そんな「?」は感じませんでした。とりも直さず,それは筆者に英語的な感覚が完全に欠如してることを意味します。そんな程度です。
と,まぁ,いろいろと生きてりゃ不満もあるんですけど,名選手が必ずしも名指導者や名解説者にならない,っていう好例を見つけました。西岡利晃選手です。
サウスポーの好選手でしたが,解説で「アッパーとフックの中間のようなパンチ」っていったことがありました。これ,完全に間違ってます。アッパーってものを,「まったく」理解してない発言です。そういえば西岡選手自身,アッパー打ちませんでしたけど,あれだけ誤解してるんですから「打てなかった」が正解なんでしょうね。あまりにもトンチンカンすぎますもん。
アッパーについてはジョー小泉氏も「腕力のない日本人には難しいパンチ」って書いてましたけど,これまた完全なる誤解。こんなのが名解説者ってことになってるんですから,この国からは名選手,出難い気がしますね。もっともっと叩かれるべきです。無知すぎますもん。
アッパーっていうのは,空手でいうところの「逆突き」なんですね。つまり,手の甲が下を向いてるだけで,押し込むパンチです。ストレート・パンチですね。ストレート・パンチが手の甲を上に向けてるのに対して,アッパーは手の甲が下を向くだけ。
にも関わらず,このパンチを,まるで「力こぶ」をつくるようにヒジを強く曲げることによって打つものと勘違いされてます。いや,かつての腕力自慢がボクシングをやってた時代はそうでしたけど,今やアッパーっていうのは,手の甲が下を向くだけのストレート・パンチです。
これをちゃんとやってたのが,辰吉丈一郎選手でした。彼は左の腹打ちを,この手の「押し込み型」のアッパーで肝臓を打ち抜いてました。辰吉選手を多く見てきた小泉氏も,浜田氏も,ともに,アッパーってものを誤解したまま。何でしょうか,目ぇつぶってたんでしょうか? それとも,違う映像を見てたんでしょうか? そのくらいにバカすぎます。見りゃ,わかるでしょうに。一応はプロなんですから。
『はじめの一歩』ってマンガでも,アッパーを肩の外側に打っちゃってました。これ,大間違いです。肩の外側には体の回転で強く打てないんで,これは腕力依存。つまり,小泉氏のいう「日本人には難しい」打ち方です。
小泉氏の指摘も愚かすぎますけど,アッパーを外側に打っちゃってるのも,哀しすぎる間違いでした。あ,あの作者もボクシングの指導をしてるんですよね? 日本の未来は暗い…。暗黒です。
正しいアッパーっていうのは,ストレート・パンチですから,腕力は要りません。また,押し込むパンチですから,体を回す力で打つ「フック」とは,体の使い方そのものが違います。アッパーとフックは,軌道が違うんじゃないんですね。あ,軌道も違いますけど,体の使い方そのものが異なるんです。ですんで,「その中間」ってのは,あり得ません。それを認めてしまった時点で,「コイツ,アッパー知らねぇな」認定です。
名選手は,名解説者や名指導者とイコールではない,という好例でしょう。何度も防衛した名選手も,アッパーというパンチについて,まったく理解がありませんでした。
さて,こんな人間が,どうやって指導をするんだか…。恐ろしい世界です。
だって,野球の指導者が,「いいから,来た球を打つんだ!」っていったら,バカにされるでしょ。日本の指導者の多くが,こんなレベルですもん。