ちょっと,どこがポイントなのかわかってないんですけど,Wladimir Klitschkoの右手の位置が気になって仕方ありませんでした。怖いんですね。
解説者は盛んにそのジャブの長さと鋭さを語ってましたけど,あの右手の位置,気になんなかったんでしょうか? それが不思議でなりません。
もちろん,筆者はテレビで見てるだけでしたけど,それでも,右手の位置が怖かったんですね。いつ長い右クロスが飛んで来るか,わかんない構えでした。テレビで見てるだけで怖かったんですから,退治してたJoshuaは,それはそれは,怖かったことでしょう。それを克服して倒したんですから,もう脱帽ですね。
同じように右が怖かったのが,Roberto Duránと徳山昌守選手でした。3選手とも,右手を同じ位置に置いてるわけではないんですよね。でも,いずれの選手も,見てるだけで,いつ右が飛んで来るかわからない怖さがありました。あ,1人は過去形にしちゃいけないんでしょうかねぇ?
かつて黒崎健時先生が,「構えだけで相手をビビらせろ」みたいなことをいってましたけど,上記の3選手には,ハタからテレビで見てるだけでそれを感じました。かつ,3選手とも実際に右のカウンター合わせが絶妙でしたから,単に「ビビらせる」だけではなかったんですね。相手をビビらせといて,そして,実際に打ち込んじゃう怖さ。こういうのを解説すべきな気がします。デカい選手を映して,「デカいんですよねぇ」って,見りゃ誰でもわかるでしょうに。ねぇ。
こうして筆者はボクシング解説者がいかに一般的な教養もボクシング知識もないか,ってことを書いちゃってますけど,他の競技もそうなんでしょうか? 例えば,増田明美さんの解説は細かすぎるとか取材しすぎるとかで話題になってますけど,あれも,長距離走者からしたら「トンチンカン度」が高いことをいっちゃってるんでしょうか? 単純に筆者なんかは敬服しながら聞いてますけど,ボクシング放送を見てる人たちのほとんども,増田さんの解説を聞いてる筆者くらいに感心して聞いちゃってることと想像できます。そして,そのウソに洗脳されていくところまで想像できます。
あ,そうそう,上で「Wladimir Klitschko」って英語,ドイツ語表記しましたけど,生まれはウクライナですから,ウクライナ語で「Володимир Володимирович Кличко」って綴ります。ロシア語だと「Владимир Кличко」。さて,「ウラディーミル」なのか「ウラディミール」なのかが気になって,ちょっと調べました。
というのも,ロシアの大統領と安倍首相が喋ってるときに,安倍さんは「ウラジーミル」って呼びかけてんのに,テレビ局によっては字幕で「ウラジーミル」って書いてたからです。同じ文字数ですから,たぶん労力は一緒。じゃ,安倍さんが正しいのか,テレビ局が正しいのか,気になるでしょ?
どうやら,ロシア語とかウクライナ語とかでは,「ウラディーミル」が原音に近いようです。が,スペイン語圏であれば「ブラディミール」っぽくなります。
では気になるのが,王貞治氏の記録を破った「バレンティン」選手の名前です。
彼はオランダ領の出身ですから,英字のアルファベットで「Wladimir Balentien」って綴るのが正解。じゃ,読みは? ってぇと,これは「ウラディミール・バレンティン」って表記すべきなようですね。ロシア語風の音にはならないようです。
と,そんなことが気になって放送を観てました。
また発音の話になっちゃって恐縮ですけど,かつて宇多田ヒカルさんが「New York Yankees」を「ヤンキース」って書くのはおかしい,みたいなことをいってましたね。そう,これ,「ヤンキーズ」みたいになるのが正解。濁るんです。ホントは。
これ,中学英語(今だと小学英語)で習うはずでしょ。真っ先に習うでしょ。英語には有声音と無声音があって,無声音に「s」がつくときには濁らないけど,それ以外は濁る,って,習ったはずです。まぁ,基本中の基本なわけですけど,その基本中の基本がダメ,って,恥ずかしすぎますよねぇ。
野球でいえば「阪神タイガース」も「Tigers」で,無声音に「s」がつくわけではありませんから,「タイガーズ」みたいに読むはずです。なぜ,そしていつから,間違いが横行しちゃったんでしょうか?
無声音と有声音ですから,例えば「t」と「d」,「f」と「v」,「k」と「g」なんかが挙げられます。で,後者は有声音ですから,「s」がつくと「ズ」っぽくなります。「Giants」は濁らない,「Reds」は濁る,といったようになります。
ニュース見てて不思議に思うのが,「◯◯ホールディングス」みたいなことですね。「Holdings」のケツは,濁るはずです。カナにすると「ホールディングズ」みたいになるはずです。「ホールディングス」だと,間違いですからね。
教育上,最悪でしょう。だって,英語のテストでもし「虎の複数形のケツは濁るか?」みたいな問題が出たとしましょう。で,慣例的に「これは『タイガース』」って勘違いしてて「濁らない」って書いちゃったら,ペケですもん。こんな,今だと小学生で習うことが間違って伝えられてるんですもんねぇ。
あと,これまた気になるのが,髙柳健一氏のいう「スムース」ね。「Smooth」って,IPAの発音記号で書くと「smuð」ですから,濁るべきな気がしませんか? あ,「er」がついても清音になりませんから,ヒゲ剃りの「白いスムーサー」っていうのも,たぶん間違ってます。
英語だとしばしば「the」を「da」なんて書いちゃうように,わりと「d」に近い音になりますけど,正しくは,日本語にはない,舌先を前歯に触れさせて出す音ですね。
ちょっと気になって「ð」で始まる語を探してみたところ,大量に発見されました。いくつか挙げましょう。
あ,濁らないほうがカッコいいんだとしたら,髙柳氏は「タカヤナキ」っていうべきなんでしょうかねぇ…?
これらを,例えば「シス・シズ・ア・ペン」みたいにいうんでしょうか? たぶんカナでは「ディス・イズ・ア・ペン」っていうはず。荒井注さんは当然,濁るはずです。髙柳氏の「スムース」ってのを聞くたびに,「あぁ,コイツぁ『シス・シズ・ア・ペン』っていっちゃうのかもなぁ…」って想像します。
高柳氏に限らず,わりと濁らないのがカッコいいのか,「James」とか「Briggs」なんてののケツも,「ス」って書くことが多いんですよね。当然,正しくは濁ります。小学生でもわかることなのに,なぜ大人が間違ってんのか謎。
長くなっちゃいましたね。終わりましょう。